携帯版 |
![]() |
![]() |
|
フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/08/14 12:06, 提供元: フィスコ フェローテク Research Memo(6):半導体等装置関連は増収ながら減益、電子デバイスは増益ながら車載関連は減益*12:06JST フェローテク Research Memo(6):半導体等装置関連は増収ながら減益、電子デバイスは増益ながら車載関連は減益■フェローテック<6890>の業績動向 2. セグメント別概況 セグメント別状況を見ると、主力の半導体等装置関連は、売上高165,245百万円(前期比27.0%増)、営業利益12,305百万円(同24.3%減)となった。米国や中国の顧客からの需要を取込み増収となったが、製品構成の変化(収益性の低い製品の割合が増加)や新工場の立ち上がり負担(減価償却及び経費増)によりセグメント利益は減益となった。 電子デバイスの売上高は50,487百万円(前期比21.0%増)、営業利益は8,250百万円(同20.8%増)となった。サーモモジュールが生成AI向けで堅調に推移したことなどから増収・増益となった。 車載関連の売上高は30,463百万円(前期比17.7%増)、営業利益は3,599百万円(同11.4%減)となった。主力のパワー半導体基板は増収となったが、需要が調整局面となったことなどから減益となった。 その他の売上高は28,194百万円(前期比13.9%増)、営業利益は843百万円(前期は1,197百万円の損失)となった。引き上げ装置の売上増があったことや太陽光関連のマイナスが減少していることから、セグメント収益は大きく改善した。 主要なサブセグメントの状況は以下のとおりである。 (1) 真空シール・金属加工、ウエーハ加工、再生ウエーハ 真空シール・金属加工の売上高は、中国半導体装置関連の需要を取込み39,195百万円(前期比55.3%増)となった。ただし、開始時コスト負担があり利益寄与は小さい。 ウエーハ加工は、持分法適用子会社の売上減により売上高は10百万円(前期比92.2%減)となった。再生ウエーハの売上高は2,856百万円(同60.5%増)となった。 (2) 半導体マテリアル、石英製品、シリコンパーツ、セラミックス、CVD-Sic、装置部品洗浄、石英坩堝 石英製品は、顧客在庫の影響があったが、中国の顧客や火加工需要を取込み、売上高は31,930百万円(前期比13.1%増)となった。シリコンパーツは、顧客の在庫増により売上高は13,687百万円(同6.3%減)にとどまった。セラミックスは、米国メーカー向け需要が堅調だったことに加えて中国での需要も増加し、売上高は33,155百万円(同36.4%増)となった。CVD-SiCは、岡山工場のキャパ増強が貢献し売上高は8,192百万円(同19.8%増)となった。 装置部品洗浄では、中国半導体・液晶工場の稼働が順調に回復したことから売上高は15,306百万円(前期比30.6%増)となった。一方で石英坩堝は、太陽光発電向けの需要が急減して売上高は12,668百万円(同12.4%増)にとどまった。そのため、収益性は急激に悪化した。 (3) サーモモジュール 電子デバイスの中のサーモモジュールは、生成AIサーバー投資関連の光トランシーバー向けマイクロモジュールがけん引して売上高は27,225百万円(前期比40.7%増)となった。車載関連では、中国EV車向けの車載冷蔵庫、カップホルダー向け、温調シート用が堅調に推移して売上高は6,412百万円(同80.9%増)となった。 (4) パワー半導体基板、センサ 電子デバイスの中のパワー半導体基板は、産業機械向け(主にDCB基板)が堅調に推移して売上高は18,152百万円(前期比8.2%増)となった。車載関連のパワー半導体基板(主にAMB基板)の売上高は19,250百万円(同22.2%増)となったが、全体が調整局面にあり収益性は低下した。 センサでは、電子デバイスは3,971百万円(前期比15.2%減)、車載関連は4,801百万円(同27.0%減)といずれも前期比でマイナスとなったが、これは主に大泉製作所の決算期変更(9ヶ月決算)による。実態としては、まずまずの結果だったようだ。 3. 主な投資と減価償却費 2025年3月期の設備投資額は51,776百万円(前期は75,227百万円)となった。主な投資は、マレーシアFTMM85億円、マレーシアパワー半導体基板92億円、常山セラミックス等35億円、麗水センサ50億円、日本国内のFTMT・FTHD61億円等であった。 減価償却費は23,672百万円(前期は16,398百万円)と大幅に増加した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《HN》 記事一覧 |