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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/09/02 12:04, 提供元: フィスコ

バルテスHD Research Memo(4):2026年3月期、ベース事業は11.6%の営業増益見込み

*12:04JST バルテスHD Research Memo(4):2026年3月期、ベース事業は11.6%の営業増益見込み
■今後の見通し

1. 2026年3月期の業績見通し
バルテス・ホールディングス<4442>の2026年3月期の連結業績は、引き続き各KPIの上昇を目指し、売上高で12,000百万円(前期比11.2%増)、営業利益で650百万円(同30.9%減)、経常利益で647百万円(同31.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で390百万円(同33.8%減)を予想している。

増収を見込んでいるものの、後述するように生成AIテストツール開発への投資を4億円計画していることから、これによって営業利益以下は大幅減益となる予想だ。ただし会社は、「仮にこの投資を行わなければ、11.6%の営業増益になるが、将来の成長のために必要な投資と考えている」と述べている。

2. 「生成AIテストツール開発への積極投資」へ方針転換
生成AIの拡大による事業機会とリスクに対応するため、同社では以前から生成AIテスト設計ツール「TestScape」の開発を進めてきた。これまでに同社が蓄積した膨大な過去抽出データ※を利用することで同開発は順調に進捗したため、2025年2月に開発加速に向けた「生成AIテストツール開発への積極投資」方針への転換を決定した。この生成AIテストツール開発への投資によって生産性の向上と競争優位性の増強を図ることで、IT人材採用難の現況下においても、従前以上の事業成長が可能になる。

※ 本開発においては顧客情報を一切使用せず、同社内のテスト実績データのみを活用している。

方針変更に合わせて、開発ロードマップとして2025年3月にプロトタイプ実装を開始、4月には「Japan IT Week(日本最大級のIT・DX展示会)」にて発表した。さらに社内での実装実験を重ねて、今後は同社の主要製品である「T-DASH」及び「QualityTracker」への実装を予定しており、これにより顧客サービスを展開する計画だ。

この生成AIテストツール開発による同社のメリットは、「生産性向上」「価格競争力向上」「IT人材採用難でも利益拡大が可能」という点で、グループ収益への影響としては、グループ売上高の約85%を占めるソフトウェアテスト事業の生産性向上でグループ利益へのインパクトが増加する、などが挙げられる。

3. 2026年3月期第1四半期の業績(実績)
既に2026年3月期第1四半期の業績(実績)が発表されているが、売上高は2,748百万円(12.7%増)、営業利益99百万円(前年同期は3百万円の損失)、経常利益96百万円(前年同期は1百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益53百万円(前年同期は8百万円の損失)と、第1四半期の予想は開示されていないが、ほぼ計画に沿った結果であったようだ。そのため、上記の通期予想は修正されていない。



■中長期の成長戦略

2028年3月期に売上高170.0億円、営業利益18.8億円を目指す

● 新中期経営計画の概要
同社が以前から開発を進めてきた生成AIテストツール開発への道筋が見えてきたことから、同社ではこれに基づいた新たな中期経営計画を発表した。以下はその骨子である。

(1) 生成AI技術拡大によるメリットと目的
「生産性向上」「価格競争力向上」「IT人材採用難でも利益拡大が可能」などが期待できる。またグループへの影響としては、グループ売上高の約85%を占めるソフトウェアテスト事業の生産性向上により利益へのインパクトが増加することが期待できる。

(2) 生成AIテストツール開発における同社優位性と未来像
同社では、以下のような優位性を挙げている。
・自社開発のテストツール群によりテスト工程全般を網羅
・生成AIテスト設計ツール「TestScape」を先行実装(2025年3月開始)
・ソフトウェアテスト専門事業者として20年にわたる実績
・開発者自身がテスト・検証を行うのは客観性がなく信頼性に欠ける

また本計画において同社が「未来像」として描くのは、「ソフトウェアテストの全工程の自動化」と「テストエンジニアからAI-テストデザインコンサルタントへの成長」である。

(3) 投資計画及び利益目標
同社では、本計画(今後3年間)において、以下のような投資を計画している。
・生成AIテストツール開発に対して、毎年4億円を投資(これにより営業利益は本来の計画よりも押し下げられる)
・BS戦略投資(M&Aや事業所投資)として25億円
・株主還元策として、株主優待に2.4億円、配当に2.4億円

利益目標(2028年3月期)として以下を掲げている。
・売上高170.0億円(2025年3月期実績107.9億円)
・営業利益18.8億円(同9.4億円)、営業利益率11.1%(同8.7%)
・人に依存しないビジネスモデルの売上高構成比26%超(同微小)



■株主還元策

年間4.0円配当を実施。当面は同額の配当の可能性大

同社は、2023年3月期までは将来の成長に向けての内部留保を優先し配当を行っていなかったが、2024年3月期及び2025年3月期は年間4.0円の配当を実施した。進行中の2026年3月期も年間4.0円の配当を行う予定だ。その後の配当政策については、当面は既述のような「基本戦略」を推進するため、年間4.0円配当を基本施策とする。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


《HN》

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