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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/12/26 11:01,
提供元: フィスコ
マイクロアド Research Memo(1):売上高・各段階利益ともに予想を上回る着地。利益創出の基盤が整う
*11:01JST マイクロアド Research Memo(1):売上高・各段階利益ともに予想を上回る着地。利益創出の基盤が整う
■要約
マイクロアド<9553>はデータとテクノロジーを活用して、顧客のマーケティング課題の解決を支援する企業である。同社の主力はマーケティングプロダクト「UNIVERSE」で、外部企業とメディアが保有する大量のデータを収集・蓄積、データから多種多様な特性を持つ消費者の購買行動を分析したうえで、顧客ごとに適切な広告配信を行っている。また、Webメディアにおける総合的な収益化支援を目的としたプロダクト「MicroAd COMPASS」などを提供している。海外子会社においてはデジタルマーケティングの総合的なコンサルティングサービスや訪日観光客向けインバウンドマーケティング支援なども手掛けている。
1. 2025年9月期の業績概要
2025年9月期の連結業績は、売上高が前期比14.3%増の15,670百万円、のれん償却費と株式報酬費を考慮した調整後営業利益が同109.0%増の784百万円、営業利益が同99.4%増の613百万円、経常利益が同80.2%増の531百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同31.0%減の195百万円となった。2025年9月期は生産性向上施策が想定を上回る効果を発揮し、期中に2回の上方修正を実施する結果に至った。特に、各段階利益は当初の計画を大幅に上回る水準まで拡大しており、生産性向上施策の進捗状況と効果が業績に確実に反映された期であったと弊社では高く評価している。
2. 2026年9月期の業績見通し
2026年9月期の連結業績は、売上高で前期比11.3%増の17,444百万円、のれん償却費と株式報酬費を考慮した調整後営業利益が同30.9%増の1,026百万円、営業利益で同33.0%増の815百万円、経常利益で同43.4%増の761百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同240.1%増の663百万円を見込んでいる。
今後の成長イメージに関して、同社は総合データカンパニーとしての事業拡大を進めており、2025年9月期には新規事業としてBtoC領域における複数の物販事業を開始した。これに続いて2026年9月期は、BtoB領域における「UNIVERSE DATA PLATFORM」の新たな活用事業を積極的に推進する方針を示している。「UNIVERSE」は自社広告プラットフォームである「UNIVERSE Ads」への広告配信を基盤として発展してきたが、データ経済圏の拡大を目的とした取り組みが進んでいる。その中心となるのが、「UNIVERSE DATA PLATFORM」の他社広告プラットフォームへの連携推進であり、これにより大手SNSや動画プラットフォームへUNIVERSEの有する大量の消費行動データを活用した広告配信が新たに可能となる。既存サービスの深化だけでなく、「UNIVERSE」を軸とした新規領域への展開を通じて事業構造の広がりを図る姿勢が明確であり、中長期的な成長の拡大が期待されると弊社では見ている。
3. 中長期の成長戦略
同社は「アドテクノロジーの企業から、総合データカンパニーへ」というスローガンの下に、データ活用を軸とした中長期成長戦略を描いている。「データプロダクトの拡大」「新領域へのデータ活用」を基本戦略とし、業績の拡大と企業価値の向上を目指す。販売体制の強化と新製品の投入を継続的に実施することによって「UNIVERSE」の稼働アカウント数を増やし、人材投資によって付加価値の高い製品を継続的に生み出す質の高い人材プールを構築する。最終的には広告サービスという枠にとどまらず、保有している膨大なデータや分析技術を活用して新領域への積極参入へつなげる。最近でもインバウンド関連の新規サービスや海外消費者向けのIP(知的財産)とメーカー商品のコラボレーション企画・販売サービス、2025年6月に日本国内にローンチしたTikTok Shop関連の支援サービス、「UNIVERSE」関連の新規サービスなど、市場投入を続けている。
■Key Points
・2025年9月期は生産性向上施策により大幅増益
・2026年9月期は増収増益見込み、本格的な利益創出フェーズへ
・既存事業の成長と新領域へのデータ活用によってさらなる成長加速を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
《HN》
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